スライスに困っている人 其の1
スライスに困っている人が本当に多い。
スライスしないドライバーってどれですか?って質問をされるたびに思うこと。
私の持論なので、正しいかどうかは謎なのだけれど、ゴルフクラブの振り方にも大きく分けて2種類の振り方があると思っている。
料理をする人には判ってもらえると思うのだけれど、包丁の使い方にも引いて切る方法と押して切る方法がある。
大根を輪切りにした場合に、押し切りしたものと、引き切りしたモノの違いは見た目にはあまり差が無い。
ゴルフの話から逸れてしまうけれど、お刺身やお寿司のネタを切り分ける場合は日本の和包丁(刺身包丁)で引き切りが良いとされている。
良く砥がれた和包丁でお刺身を切り分けると、角が立つとか舌触りが違うと言われるやつだ。
ゴルフスイングでも私は似ている部分、共通する部分があると思っていて、同じフェード系のボールを打つゴルファーにも、2タイプのスイングに分ける事ができると思う。
シャフトのしなり戻りを使うタイプ
シャフトのしなり戻りを使わないタイプ
包丁で言うところの押しているのか引いているのか?
しなり戻りを放棄してスイングをしている人は、どうしても大きくスライスしてしまう人が多いように思う。
飛ばないスライスボールになってしまうしまうと言う事です。
そしてここからが本当に多いパターンで、
スライスして困っているからカスタムシャフトの固いやつを探しているのですが?
こういった質問をされる人が非常に多い。
お友達に硬いシャフトにしたら良いと思うと提案されたらしい。
硬いシャフトはスライスしないと思っている方が多いのですが、半分は正解で半分は間違っていると私は思うのです。
左にひっかけのボールを打てればよいのであれば硬くすれば正解だと思います。
小振りの重心距離の短いヘッドにトルクの少ないシャフトを選べば、引っ掛けボールは打ちやすくなるはずだからです。
硬いシャフトはゆっくりとリラックスして振ることが難しくなるので、どうしても飛ばそう、シャフトをしならせようとして、力みが生まれやすくなるはずです。
シャフトのしなり戻りを放棄している人にとっては、この硬くハードなスペックは方向性が良くなったと感じるケースが少なくないのでしょう。
しかしそれと同時に振り心地を含めた感想が、ボールが上がらない、振っていて力んでしまう、こういった副作用によってスイングの安定性とか再現性からはかけ離れていってしまうのではないか?と私は勝手な想像をしてしまうのです。
ある程度のレベルでゴルフをしている人ならば判ってもらえると思うのですが、力んでしまって良い事はゴルフにおいては非常に少ないと思う。
充実感のある、マン振りをしたフルショットで#8アイアンで150y打つよりも、#7アイアンでコントロールして打ったショットの方が、ミスしてしまったときのミスの度合が同伴競技者が見ていても、あまり気にもされない程度のミスにしかならないのです。
オーバースペックのクラブを使うと、スライスが治まるという効果(たぶん引っ掛けているだけ)と副作用のミスしたときのミスの度合がとても大きなミスになるかもしれないという事を受け入れないといけない。
副作用に悩み始める人は多いはずである。
このオーバースペックのドライバーを購入していった方には、遠くない将来に再開することが多い。
引っ掛けがでるとか、左に行きはじめるから硬いシャフトを探している。
6xを買ったけど、もう少し重いものを使ってみようか?
7sぐらいを探しているといった感じで相談にこられる人が多い。
そうゆう台詞を何度聞いたかわからない。
しかし私はそれもゴルフの楽しみだと思っているから、最近はその方が納得するスペックの商品を探してあげる事も良いのかもしれないと思ったりもする。
買い物をする人全てが、同じ選択をする必要は無いからだ。
柔らかいシャフトを提案したり、XXIOを代表とする優しいクラブを提案しても、その手のクラブは年をとってから使うから今はいいやとなってしまう。
ゴルフショップには「夢」とか「希望」を買いに来ている人も多いのだと思う。
ゴルフクラブをファッションと考えると、好きな色のシャフト、好きなブランドロゴのクラブ、そういった自分の感性で選んだクラブでゴルフを楽しんでも絶対に面白いはずだから。
つづく